さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

歴史やデータを見ることで未来を見る

おはようございます。

ほそやんです。

 

もはや使われすぎて陳腐になってしまってますが

新型コロナウィルスのせいで少し先のことでも

見通すことが難しい時代になってしまってます。

二か月後のオリンピックすらどうなることやら。

そんな時代だからこそ、先を見通すことを得意と

している人の思考方法を学ぶことって大事だと思います。

 

台湾のオードリータンに続いて今度は

フランスのエマニュエル・トッドです。

 

台湾でおもいだしたので脱線しますが、

数日前に日本から台湾に向けて新型コロナウィルスの

ワクチンが飛行機で運ばれました。

ワクチンを積んで日本から飛び立とうとするJAL機に向かって

台湾の駐日大使にあたる人が

ふりしきる雨の中深々と頭を下げておられるのを見て

涙が止まらなくなってしまいました。

少し時間置いてもう一度見たんですがまた涙が・・・

自分でもなにがそうさせたのかわからないのですが、

僕の心の何かをつかんで揺さぶるものがあったようです。

言葉にすると安っぽくなりそうなので

「なにか」でひとまとめにしておきます。

 

本題に戻ります。 

 

作者はユダヤ系の血を引くフランスの歴史人口学者です。

人口の分析することで社会の仕組みや世界情勢を読み解く

というちょっと日本ではなじみのない分野の学者さんです。

まだ東西冷戦が続いていた時にソ連の乳児死亡率が

上昇したことからソ連崩壊を予測したことで

世界的に知られるようになったそうです。

そんな人が日本向けに自らのものの考え方を

書いてくれたのがこの本です。

 

作者にとって思考のやり方とはこんな感じだそうです。

 

まず前提としてデータの収集と「入力」を行います。

そのデータと経験の蓄積から仮説を着想し

モデル化をすることで「創造」をします。

創造したものを比較分類考察をして「分析」します。

分析したものから法則を見出すことで

未来を予測することができるのだそうです。

 

この枠組みはいろんなことに流用できると思います。

思考とはとある現象と現象の間にある

偶然の一致や関係性を見出すことです。

それを見出すことなく勘だけで思考した気に

なっていては正しく前に進むことができません。

 

この一致や関係性を見出すことを妨げる要因を

作者は二つ挙げています。

一つが自分の中に無意識でランダムな考え方がない、

ということです。

データが足りない・把握できていない、

データの意味や背景が理解できていない、

インプットしたデータが理解しきれていない、

そもそもデータ同士を結び付けようとしていない、

といった場合がこれにあたります。

 

二つ目は、社会がそのアイデアを持たせないようにしている、

ということです。

言い換えればある考え方が許されない、またはできないような社会に

なっている可能性があるということです。

同じような思考を持つ人ばかりを集めることによって

ある事柄を信じるようになり外の現実と全くそぐわない

という事態が起こることをグループシンクといい、

これがこの典型です。

 

こういうことにならないためには

規則正しさの中にある異常を見出し

それが何か意味のあるものだと気づく能力が必要です。

そして気づくためには常識を逸脱したようなデータに

出会ってもそれを拒絶せずちゃんと向き合えるだけの

自信を持たなければなりません。

 

エラーが起こった時に向き合うことなく

誰かのせいにしたり、なかったことにしたりする人を

私はたくさん見てきました。

そして、こういう人は自信がない人だというのも

私の実感と一致するもので納得できるものです。

 

作者は自信を持ってアイデンティティを保つためには

どこかに必ず自分を評価してくれる人たちがいると信じること

そしてその存在に気が付くことというのが大事と説きます。

 

多様性を認めるためにも自分に自信を持つこと、

これはほかの本でもよく見かける共通したことです。

生きていくうえで、必要な本質的な事なのかもしれません。

 

最後に、これからの社会についてもこの本で言及されてます。

コロナウィルスによって今後どうなっていくか・・・

ロシア革命第一次世界大戦に敗北したことで起こっています。

コロナウィルスでもおなじような敗北が訪れるかもしれない。

それはドイツの一人勝ちで限界が見えつつあるEUなのか

ナショナリズムが進むイギリス、アメリカ、中国なのか、

人口減少がとまらない父権のつよい日本や韓国なのか・・・

実際に手に取って読んでもらえたらと思います。

 

じゃ、また!!

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