さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

理念なき模倣

おはようございます。

ほそやんです。

 

久しぶりに歴史をからめたお話を。

 

子供の頃、秀吉が好きでした。

過去形でわかる通り、今はそうでもありません、

特に天下統一後の秀吉は好きになれません。

というか、かわいそうな人というイメージです。

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本能寺の変は秀吉が黒幕である説を私は違うと考えています。

なので、本能寺の変の後の秀吉は幸運をつかみ取るために

死力を尽くしそれをつかみ取ったスーパーマンだと思ってます。

実務処理能力や対人関係構築能力がずば抜けている

秀吉でなければできなかったことだと思います。

 

ただその後、小田原征伐をピークとして

秀吉のまばゆばかりの輝きは消えていきます。

むしろ、ボケ老人としか言いようがないような

醜態をさらしていきます。

朝鮮出兵しかり、豊臣政権体制の制度つくりしかり

耄碌したとしか言いようがありません。

 

ただ、最近自分に起こったことを鑑みたり

秀吉の行動をよく見るとこの秀吉晩年の醜態は

耄碌したのではないような気がしてきました。

 

秀吉には理念がなかったんじゃないかと、

理念がなく迷走してしまっただけ、

どうしていいかわからなくなった

かわいそうな人なんじゃないか

と思うようになってきました。

 

大河ドラマ麒麟が来る」であった

平和な世の中を作りたい、というのは

多分に嘘くさいとは思いますが、

少なくとも信長には日本を統一して

リアリズムに基づいて海外へ進出する国家を作りたい

という理念があったと思っています。

 

信長がどこまでその理念をみんなに話していたかは

想像の域を出ませんが、少なくともこういう手順をやりたいと

いう話は秀吉はじめ各武将に話していたと思います。

毛利を攻め、上杉を攻め、長曾我部を攻め・・・・

天下統一のあとは世界に打って出ようと。

 

鉄砲があったからとか資金力があったからとか

兵農分離がされていたからとかいろいろと

信長が天下統一目前まで言った理由を並べられますが

そのどれもが手段であって理由ではないと思います。

自分が生きていくためだけに私利私欲で

領土拡大をしているほかの戦国大名に対して

新しい世の中を作るんだっていう理念を信長が

持っていたことが理由だったと思います。

 

その信長の天下統一事業を継いだ秀吉は

その理念を引き継ぐことなく

理念を実現するための手段だけ引き継ぎました。

小さいとはいえ大名家の嫡男として育った信長に対して

食うや食わざるやの世界から成りあがった秀吉では

同じ天才だとしても見えている世界が違って当たり前で、

秀吉にとっては自分が贅沢できる世界を夢見ることが

その能力の限界だったとしても仕方ないことです。

同じ世界進出をするということにしても

信長にはヨーロッパと商業をするという

新しい世界が見えていても

秀吉には中国を征服するという

古臭い価値観しか見えないのも

仕方ないことです。

 

明確に手段が提示されていたであろう天下統一までは

そのマスタープランに沿ってやるだけなので

うまくいきましたが、そのあとの海外進出は

理念を持たないままに自分の欲望を満たすためだけに

真似をしようとして失敗をしたのだと思います。

 

まだ秀吉自身は信長という強烈な理念をもった人の

すぐそばにいたので、醜悪ながらもなんとかなりましたが、

秀吉亡き後の豊臣家臣団は悲惨です。

理念なきリーダーを見て育った家臣団に理念があろうはずがありません。

理念なき集団がやることはその権力の維持だけになります。

みんなが共感できる理念を達成しようと

一生懸命前に進む人に人はついていきます。

理念もなく私利私欲や権力争いに必死な幹部たちに

世間や人がついていくはずがありません。

 

秀吉政権が一代で終わってしまったことの理由は

いろいろと言われますが、

家康が強かったのでも、

豊臣家臣団が無能だったのでも、

後継者がいなかったわけでもなく、

理念なき集団に世間はついてこなかった、

ただそれだけだと思います。

 

 

先代から理念を引き継ぐことなく手段だけ受け継ぐと

自分の立ち位置がどこかわからず不安になり

疑心暗鬼になり被害妄想だけ拡大して迷走します。

そしてその部下たちもどこに向かえばいいのかわからず

迷子になって消えていってしまいます。

手段しか引き継げなかった二代目は本当にかわいそうです。

そしてその部下たちはもっとかわいそうです。

さらにその模倣をする三代目となると・・・

 

必ずしも先代と同じ理念を持つ必要はないです。

自分は何者であり、

世の中は何を求めていて

自分は何が世の中に提供できるのか。

これだけは自分に問い続けていきたいです。

 

じゃ、また!!

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