さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

今日、火つけてこい

ほそやんです。

 

わりと広域で仕事をしているので各市町村ごとに

独特の雰囲気があるのはよく知っています。

親切な役所もあればやたら敵対的な役所もありますし、

細かいことを言うところもあれば割と融通を効かせて

くれる役所もあります。

そして市町村の合併があったり、市長が変わると

その雰囲気が変わることもよく知っています。

(はよ京都市の市長もまともな人にならんかなぁ)

 

さすがに距離が遠すぎて直接的にかかわったことはないのですが、

やたら行動が早い役所だと伝え聞いていたのが明石でした。

で、とあるニュースを聞いてその合点がいきました。

道路拡幅のための立ち退き交渉で難航している部下を相手に

「今日、火つけてこい。

今日、火つけて捕まってこい、お前、燃やしてしまえ!

ふざけんな。行ってこい、燃やしてこい、今から建物。」

と、なんとも刺激的なお言葉を明石市長が発したというニュースです。

あぁこういう強烈な市長がいるからやったんや、と。

 

ちーがーうーだーろーの豊田真由子さんと同じで

根っからの悪人ではなくて行動力も能力もあるが故に

足を引っ張りたい人がまわりにたくさんいて、

また自分自身に行動力も能力もあるが故に

他人の不作為が許せなくて、また理解ができなくて

言葉にしようにも言いたいことがたくさんありすぎて

激情しちゃう癖があるところを突かれたんだろうなぁ、

と感じたのでこのあまりにも汚い発言をきいても

私にはあまり嫌悪感がなかったです。

 

で、そんな人が明石市長を辞めて書かれた本がこれです。

なぜ明石市長になったのか、ということから始まり

どういう風に明石市を変えていったのかということが

わかりやすく書かれています。

政治に興味がない人であっても

将来自分がどういう人間になりたいのか、

を考えてみたい人、いま悩んでる人には

読んでみる価値が十分にある本だと思います。

どういう未来に進んでいくにしても自分がこうなりたいと

思った動機付けの部分の大切さがよくわかります。

 

いくつか私が読んでいて驚嘆した部分だけ抽出しておきます。

詳しくは本を読んでもらえれば変わるかと思います。

 

〇障害を持つ弟が運動会に出たいというのを

弟が笑いものになると反対したものの、

実際には弟のためといいながら自分が笑いものになることが

嫌だっただけの自分に気付いたときに悔しかった。

弟を守るべき自分が一番弟に冷たかったのかもしれない。

 

〇行政の仕事は市民の悪意を暴くことではない。

市民の善意はできる限り活動に向けてもらい、その妨げとなる

負担を取り除き市民を支えるのが行政の役割。

 

自治体のトップの権限のうちで重要なのは

「政策の方針決定権」

「予算編成権」

「人事権」

 

〇政治に必要なのは何かをしたいという願望よりも

実行すること。そのための具体的な計画です。

 

〇どれだけ頑張っても給料が増えないのが公務員。

頑張る理由は公の誇りしかありません。

 

〇私が厳しい態度を取ったり怒りの矛先を向けるのは

社会的な立場があるものにはしっかり役割を果たしてほしいという

強い期待を抱いている相手。

 

〇人生に必要なのは優しさと賢さとほんの少しの強さ。

他人の痛みはわからないけれど、それを想像できる想像力が優しさ。

運動会に出たい弟に気付かされたような本質を見抜く力が賢さ。

様々な課題や困難にぶつかったときにやり抜く力がほんの少しの強さ。

 

すべて主語が筆者だったり、市長だったり、行政だったり

するかもしれませんが、そのまんま「私」に置き換えられる内容です。

俺頑張ったすごいやろう、だけの本かなあと思って読みましたが

決してそういう本ではなく、

どんな人でも読めば自分に返ってくる本だともいます。

 

じゃ、また。