さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

伝染病の恐怖からくる差別意識

おはようございます。

ほそやんです。

 

たしか筒井康隆さんの本だったと思うのですが

(もちろん題名も忘れています)

大阪弁なまりがきつい殺人事件の被害者が殺害される前に

「カネコと会う」と言っていたため

金子という人を捕まえたら誤認逮捕で

本当の犯人は兼子だったという話がありました。

(すみません、かなり記憶があやふやで違う部分も

あるかと思います。あったらごめんなさい。)

標準語でいうと金子は「ね」があがり

兼子は「か」の音が上がります。

大阪弁だと兼子も「ね」の音が上がる場合があります。

この方言によってかわる発音を

トリックのネタにした小話です。

 

もちろん、元ネタは松本清張の「砂の器」です。

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(上) (新潮文庫)

  • 作者:松本 清張
  • 発売日: 1973/03/29
  • メディア: 文庫
 

事件の前日に被害者とおそらく加害者と思われる人間が

東北弁で話しているのを目撃され、

そのなかで「カメダ」という単語がたくさん

出てきていたという証言が出てきました。

これをもとに秋田にある「羽後亀田駅」周辺を

探ったものの有力情報を得ることができず

八方ふさがりになりかかったときに

山陰地方の一部でも東北弁に近い方言が使われていて

亀嵩駅」(かめだけえき)という地名があることが

わかりそこから事件が解決していきます。

 

犯人は父親のハンセン病が原因で村八分にされ

親子二人で日本各地を放浪していたところ

亀嵩で若かりし頃の被害者に保護してもらったことがありました。

その後ハンセン病患者の息子であることを隠して

ピアニストとして大成していたのですが、

被害者に秘密をばらされて今の地位を失うのではないかと

畏れて殺人を犯してしまうという結末です。

 

ハンセン病へのイメージがまったくないぼくには

正直犯人が殺人を犯してまでその秘密を守る必要が

あるのかどうかがわからず、正直ピンとこないです。

本人ならまだしも親の病気が原因で自分まで

社会的地位を失うほど差別を受けるというのは

理解しがたいものがあります。

それでも2003年に元ハンセン病患者の宿泊を

拒否したホテルがあったぐらい、つい最近でも

怖い病気だというイメージは一部の人には

残っているみたいです。

 

とは言えぼくみたいにぴんと来ない人が

多いのも確かなようで最近のテレビドラマ版では父親は

ハンセン病ではなく殺人犯として描かれています。

確かにその方がピンときますが、この本のテーマの

一つが言われなき差別というのがあるので

殺人犯では「言われなき差別」とよべないので

諸刃の剣なところはあります。

 

ハンセン病とは昔からある病気で日本ではらい病と

呼ばれていたらしいです。

あの嫌われ者の石田三成と友情を成立させた稀有な人、

秀吉をして大軍の指揮をさせてみたいと言わしめた人、

大谷吉継がらい病であったと言われています。

 

回し飲みする茶の湯のなかにうっかり大谷吉継が膿を

落としてしまったのを石田三成が見て見ぬふりをして

大谷吉継に恥をかかせないようにと、その茶の湯

一気に飲み干したという逸話があります。

ハンセン病だというだけで村八分にされることを

考えると三成の肝のすわり様のすごさと

のちに吉継が三成をあそこまで信用した理由が

よくわかります。

 

新型コロナウィルスもハンセン病も伝染病です。

伝染病は人から人にうつるので人は恐怖を感じます。

この恐怖は嫌悪され差別を生み出すことがあります。

適切に対応することなく軽んじるもの違いますし

過度に恐怖して差別まで引き起こすのも違います。

冷静に対処することと差別することは違うという

ことを意識していかなければ、ついつい簡単な

差別という方向に走ってしまいがちです。

 

かつては不治の病であったハンセン病も今では

完治することができる病気になっています。

新型コロナウィルスもそのうち完治できるように

なると思います。

病気のせいで差別が起こるようなことは

ないようにしたいですね。

 

じゃ、また!!

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