さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

反逆する人の2タイプ、光秀型と道三型

おはようございます。

ほそやんです。

 

今年の大河ドラマはみてますか?

ぼくが好きな戦国時代ものなので

期待して見始めたのですが

今はちょっと挫折しそうになってます。

 

なんだろう・・・

時代劇をみたいのに

時代劇のセットを使った

現代劇を見せられているような感じの

違和感がぬけないんです。

 

今後、どんな感じで物語が進んでいく

のかわかりませんが、

ぼくの明智光秀像はこの本によって

作られています。

武将列伝 (3) (文春文庫)

武将列伝 (3) (文春文庫)

 

歴史上の人物を語らせたら

この人の右に出る人はいないと

思っています。

武骨という言葉がぴったりな

文章なので読みやすくはないですが

綿密に調べられた事実を積み上げた

その上にぽんっと置く「作家の勘」で

その人物を浮き彫りにしてくれます。

 

悪人列伝シリーズと武将列伝シリーズは

人の見本市みたいで興味深いです。

人の見本市は自分の人生の肥やしです。

 

この本で6人の武将が紹介されているのですが

今回は明智光秀の章をざっくりと紹介します。

 

光秀は土岐氏の一族に生まれ

父を早くに亡くしたため叔父に養われ

16歳で元服、29歳の時に斎藤道三とともに

叔父が戦死し、この後5~10年ほど

各地を流転してすごしました。

30代後半で朝倉家に仕えたのち

40歳より織田家に仕え、ここから出世街道を

驀進し44歳にして滋賀県大津市坂本に

10万石の領地をもらっています。

52歳にして坂本に加えて京都府亀岡市にも

領地をもらい60万石にまでなりました。

そして55歳の時に本能寺の変を起こし

坂本へ帰る道中に命を落としました。

 

この時信長49歳秀吉46歳家康40歳。

自分が秀吉だとして自分の身の回りの

同じ年齢差の人を想像してみてください。

こういう想像がぼくは面白くてたまりません。

 

海音寺潮五郎さんはこの本で本能寺の変

直前の光秀の様子を詳しく書いています。

ここに光秀の人となりがあります。

 

①心願のことがあって愛宕権現にまいると言って

出かけていき、そこでおみくじを三度も引いた。

連歌の会を開き

「ときは今あめがしたしる五月かな」

と詠んだ。

その席で句を考えている際に

「本能寺の濠は深いだろうか」と

思わず言ってしまった。

また、お菓子として出てきたちまき

笹を取らずにそのまま食べていた。

③その晩、連歌師と一緒の部屋で寝たが

光秀がいつまでも寝返りをうっては

ときどきため息をついて

なかなか寝付かれない様子だった。

 

これらの事実をならべることで

「すでに反逆を思い立ってはいたが

あまりにも空おそろしいことなので

迷いに迷い」「顔面蒼白となり

憑かれたような」「光秀の姿が

目に見えるようである」

という情景が目に浮かびます。

こういうところが海音寺潮五郎さんの

本のすごさだと思います。

 

ちなみに本能寺の変を起こした理由を

〇怨恨説(恨みがあった)

〇危惧説(領地が取り上げられるかも)

〇チャンス到来説(据え膳くわぬは男の恥)

〇ノイローゼ説(怨恨をはらすチャンス

 がきた)

の4つを上げ、この4番目が理由なのでは

ないかと考察されています。

 

反逆を起こす人には深刻冷酷型と誠実型の

二種類がいて、道三や松永久秀のような

深刻冷酷型は計算を立てて長い時間を

かけてやるので成功するが、

平将門西郷隆盛のような誠実型は

抑えに抑えて我慢しているので

その反逆は爆発的でまるで計算が

たっていないから成功しない、

まさしく光秀がこれにあたります。

 

現代にたとえるとすれば

「地元の中堅企業に就職し

20代は比較的順調だったものの

その会社が内部闘争で倒産し、

30代はアルバイトで

苦労しながら食いつないだ人が、

40歳でベンチャー企業へ就職することができ

わずか4年で役員にまで出世。

しかしブラック企業体質に加えて

社長のパワハラでノイローゼになり、

55歳の時に会社乗っ取りを行い

一時は成功するものの、すぐに

ライバルにけおとされてしまう」

こんな物語でしょうか。

自分や自分の身の回りに置き換えて

いろいろ思うことがあります。

 

いまの大河ドラマって主役の人の演じ方が

いま何歳の役をやっているのかが

いまいち定まらないので見ていて不安になります。

それが挫折しそうになっている大きな原因です。

 

海音寺潮五郎さんは

「光秀は最後まで自分の反逆にたいして

良心の呵責を感じているような

小心でまじめな性格であった」

と結んで終わっています。

すくなくとも信長秀吉よりは

友達になりたいと思える人柄ですよね。

 

じゃ、また!!

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