さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

自分より優れた部下に恐怖を抱いたときに~官兵衛の生き方④~

おはようございます。

ほそやんです。

 

前回で黒田官兵衛が織田方についた後に起こった

小事件と大事件のうち小事件のほうの

有岡城幽閉の話をしました。

今日は大事件のほうの本能寺の変について。

 

官兵衛シリーズ一回目はこちらから

k-hosoyan.hatenablog.com

 

新装版 播磨灘物語(4) (講談社文庫)

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有岡城から脱出した後官兵衛は秀吉とともに

鳥取城の兵糧攻めを完遂したあと、

備中高松城の水攻めをしていました。

兵糧攻めに水攻めと奇策を繰り出し

楽しかったと思います。

 

そんな中、とんでもない情報が入ります。

本能寺で信長が光秀に討たれた、と。

結果を知っているぼくたちはそれが正しい

情報と知っていますが、虚報入り混じる

この時代に事実かどうか見極めるのは大変

だったと思います。

 

もし、信長が生きていれば大叱責を受ける

でしょうし、本当に死んでいたのであれば

目の前の毛利氏から大反撃を受けることと

なり部隊が崩壊します。

現に、北陸で上杉と交戦していた柴田勝家

相当期間足止めをされましたし、

前橋で北条と交戦していた滝川一益

部隊ごと大崩壊し命からがら逃げだしました。

 

海外で事業を行っていた支社があるとき突然

本社が倒産したという情報が飛び込んできた

ようなものです。

パニックになるのが普通だと思います。

 

官兵衛はこの情報を聞いたときに秀吉に

「ご武運が開けましたな」

と瞬時に言ったといいます。

 

この情報が正確であると判断し

(もし虚報であれば大問題発言になる)

いまおかれている状況を把握し

(目の前の戦は有利に進んでいて

ほかの軍団より有利な位置にいる)

秀吉が本当に望んでいることを察知し

(隙があれば自分がトップになろう)

できることが何かを考察し

(光秀を討てば主導権を握れる)

最後の結論までは話さない

(決断という花は秀吉に持たせる)。

 

普段の観察からいろいろな可能性を

考えていたので瞬時の判断ではないのかも

しれませんが、どちらにせよすごい判断です。

すごい判断すぎて本能寺の変は秀吉が

黒幕という説もあるわけですが、

僕は秀吉黒幕説はないと思っています。

理由はまた機会があれば。

 

 「ご武運が開けましたな」と言われたとき

官兵衛の思惑とは違い

秀吉はムッとしたと言われます。

自分より先に自分の本心を言い当てられた

ことが恐怖だったようです。

官兵衛としてはあと10秒ほどあれば秀吉も

同じ結論に達することをわかっていながら

自分の能力をひけらかしたい欲望が勝って

しまい思わず出てしまったんだと思います。

 

官兵衛ほどの人情に通じている人が

自分より優れた部下に恐怖心を

抱く上司ってたくさんいることは

わかっていたはずです。

また秀吉がその類の人であることも。

 

本能寺の変の報告があってからの

5秒ぐらいの二人の空気を妄想すると

楽しくて仕方ないです。

 

(使者) 「本能寺にて信長が討たれました。」

(秀吉) 「えっ、まじか!?」あたふた

(官兵衛)「ご武運が開けましたな」どや顔

(秀吉) 「あっ」むっ

(官兵衛)「あっ」やってもーた

(使者) 「???」何言ってるんだ?

 

この後官兵衛は秀吉から疎まれ、

多大な功績があったにもかかわらず

京都から遠く離れた九州大分の中津で

16万石しかもらえませんでした。

それでも文句ひとつ言うことなく、

むしろ秀吉の気持ちを察し

家督を息子に譲り名前も「如水」と変えます。

 

水の如し、

あるがままに水のように形を変えて

さらさらと流れていく、

あるがままを受け入れるので

うらみとかそんなんないっすよ

って言いたかったんだと思います。

 

名前一つとってもそうなんですけど、

官兵衛の行動の一つ一つってすごく

意味深なので興味が尽きません。

反対にこういうところが

単純明快な秀吉からすると

賢しらだった官兵衛の顔がちらついて

うっとうしかったんだと、思います。

 

秀吉が西郷隆盛みたいに自分の部下を

思いっきり働かしてくれる人なら

また違った時代があったと思います。

秀吉のようにコンプレックスの塊が

原動力になっている人からすると

自分より優れているということは

許せないことだったんでしょうね。

 

秀吉からするともっと大局にたって

物事を考えるべきだったと同時に

官兵衛からすると自己顕示欲をもう少し

抑えていればよかったんでしょうね。

 

じゃ、また!!

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