さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

上司の裏切り方~官兵衛の生き方①~

おはようございます。

ほそやんです。

 

戦国時代の小説が大好きです。

なかでも黒田官兵衛の話が好きです。

新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)

新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)

 

黒田官兵衛は播磨の守護大名の流れをくむ小寺氏に

新しく仕えた家老の息子として生まれました。

老舗企業の新進気鋭の部長の息子と

いったところでしょうか?

早くに父親から家督を譲られ若くして小寺家の

一員として活躍します。

 

小寺家は兵庫県の西部(播磨)に本拠を置いており、

当時の兵庫県西部は小勢力同士の小競り合いを

繰り返していたいました。ところが、

西に岡山の宇喜多(その後ろ盾には広島の毛利)、

東に秀吉を先鋒とする織田の間に挟まれることで

どちらにつくかという争いに代わっていきます。

 

現代でいえば、地方の商店街にイオンやイトーヨーカ堂

乗り込んできたという感じでしょうか?

 

地政学的に遠い織田よりも、近くて親近感の湧きやすい

毛利・宇喜多に与する勢力が多いため小寺氏も当然に

毛利・宇喜多側へ与したのに対し、

物事の先が読めた黒田官兵衛は織田側へ着くべきと

小寺氏を説得するとともに織田側へ接触していきます。

 

新しい物好きであった黒田官兵衛が、古臭い土豪のにおいが

する毛利ではなく、新時代の香りをぷんぷんさせた織田に

魅かれたというのも、もちろんしっくりくるんですが、

もう一つ理由があるように思えて、そこが私が黒田官兵衛

好きな理由の一つなんです。

それはこういうことです。

 

周りが毛利へ着く中で、人と同じ選択をしても自分が

浮き上がれない。

人と違う選択をした方が自分を高く買ってくれるはず。

毛利につくにせよ織田につくにせよ、

大勢力のバックアップさえあれば播磨の小勢力ぐらい

自分の力でまとめることができるはず。

それならば、ばくちかもしれないが、織田方へ着こう!

 

鼻持ちならないぐらいの自信と、

気持ちがいいぐらいの山っ気が

同居した感情の上に

どちらが新時代にふさわしいかを正確にかぎ取る

冷静な判断力がのっかっている感じです。

このバランス感覚が好きで好きでたまらないんです。

 

もっというなれば、土臭い播磨すら制圧できない小さな

小寺家を離れるための口実であったとすら思います。

むしろ、そうであってほしいと思います。

小寺氏は毛利側から離れることができないことをわかっていて

わざと突出して織田側へ接触し、反対に黒田官兵衛

織田から離れられないという状況を作りだした。

 

上司を裏切ったという形になると、

大義名分がたたず自分に傷がついてしまうので、

上司が自分を裏切ったという形を作った

これならば自分に傷が着きません。

 

現代でいえば商店街のとある老舗の店主と番頭さんとが

地元大手百貨店と全国大手百貨店のどちらに

出店するかで悩んでいた時に

店主が地元百貨店好きなのを知っていた上で

あえて番頭さんは全国百貨店へ無理やり出店することで

店主から絶縁され、結果として独立するような感じです。

 

タイトルを刺激的にしましたが、こういうことです。

黒田官兵衛ほど人のことも物事の先行きも見通せる人で

あればこの決断も複雑なからくりがあってしかるべしです。

冷静に見れば黒田官兵衛はここで裏切りをしているのですが

あまり裏切り者のイメージはありません。

うまい立ち回りです。

 

この後、没落した小寺氏を黒田官兵衛は家臣として採用し

代々黒田家の家臣として続いていきます。

この部分は打算ではなく、黒田官兵衛のやさしさです。

打算と野心と優しさの同居。

これが魅力なんです。

 

次回も黒田官兵衛が続きます。

多分3回ぐらいになるかな。

 

じゃ、また!!

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