さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

いつ終わるかわからないしんどい時を乗り越えるときの考え方~官兵衛の生き方③~

おはようございます。

ほそやんです。 

 

黒田官兵衛のお話の続きです。

有岡城荒木村重の説得に向かった話の

ところで前回が終わっています。

新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)

新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)

 

 官兵衛シリーズ一回目はこちらから 

k-hosoyan.hatenablog.com

 

順風満帆でいっている時期だったので驕りも

あったのでしょうが、官兵衛が単独で有岡城

行ったことはあまりにも不用意でした。

 

おそらく小寺氏から殺してくれとの要請もあって

荒木村重黒田官兵衛を牢屋に幽閉します。

殺すのは忍び難いが、死んでしまっても

仕方ないという扱いです。

この辺に荒木村重の謀反に対しての揺れ動く

心情が現れていると思います。

 

 光秀も謀反に迷いがいっぱいあると思うの

ですが、信長って裏切りたくなる何かを

持っているとともに裏切り切れない何かも

持っているんでしょうね。

 

結局この幽閉は1年におよび、

有岡城落城の際にようやく助け

出されますが、狭い牢屋暮らしのため

足が不自由となってしまいます。

生きていただけでも奇跡的です。

 

幽閉されていた1年間、

官兵衛は何を考えていたんでしょう。

 

頭のいい人ですから、小寺氏のせいで

幽閉されたこともわかっていたので

うらみつらみもあったと思います。

荒木村重に対する怒りもあったと思います。

自分のうかつさへの反省もあったと思います。

でも絶望的状況でこういった負の感情では

1年もの間耐えることはできなかった

と思うんですよね。

 

負の感情は短期では力を発揮しますが、

長期に力を発揮するのは

前に進むための感情です。

いつまで続くかわからない幽閉中も

官兵衛はずっと今後どうやって播磨を攻略し、

どうやって毛利を吸収して

そうやって九州を討伐して、

どうやって海外へ出ていくのかを

わくわくしながら考えていたんだと思うんです。

 

田舎町の小さな商店街の老舗店の番頭だった男が

大手企業へ転職したあと、海外進出の夢をみて

わくわくしているのとおなじです。

考えるべきことは無限にあるわけです。 

 

 棋士が頭の中で盤面を作って将棋が打てるように

頭のいい官兵衛は漏れ伝わる騒音だけでも今何が

起こっているかを想像して、次に打つ手を考えることが

できたので退屈することはなかったと思います。

 

もし、負の感情でこの苦境を乗り越えたのであれば、

小寺氏が領主として滅亡した後に小寺氏の子孫を

家臣にしてないはずです。

生死をさまようような体験をさせられた相手で

あっても恩があった部分だけを覚えていて

恨みをさらりと流せるところが

私が官兵衛が好きな理由の一つです。

 

最後にまた脱線。

秀吉が官兵衛のことを「ちんば」と呼んだと言います。

信長が秀吉のことを「はげねずみ」と呼んだこと

と合わせて考えると、それぞれ呼んだ相手への微妙な

感情が出ていて興味深いです。

「ハゲネズミ」は見た目はよくないけど

ちょろちょろよくとよく働くどこかかわいいやつ、

というツンデレがにじみ出ているのに対して

 「ちんば」は親しい間柄だからこそ言える言葉で

ある反面、不自由な奴、思い通りに動かないやつと

いうどこか冷めた感情がにじみ出ています。

 

多分、秀吉は信長に「ハゲネズミ」と言われて

うれしかったことを原体験として、そのまねをして

「ちんば」と言ったのだと思います。

そのことが

信長のこわいイメージに反して

意外にふかい愛情があることをあぶりだし

秀吉の明るいイメージに反して

意外に冷酷な感情があることをあぶりだし

ているのが、おもしろいですよね。

言葉の端々ににじみ出る感情や

その人の本質って恐ろしいです。

 

じゃ、また!!

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