さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

借金ってなんだろ?

おはようございます。

ほそやんです。

 

以前紹介した本ですが

自分が借金をすることを

考えるにあたって

もう一度読み直したので

その部分を紹介します。

クリストファー・マーロウが

16世紀に書いた戯曲の中で

フォースタス博士は

悪魔のメフィストフェレス

ひとつの取引に合意します。

24年間、絶対的な能力と

際限のない悦楽を得る代わりに

期間が来たら魂を

差し出すという取引です。

 

フォースタス博士は期限が迫ったときに

とんでもない「利子」を背負ったことを

後悔をしますが、契約通り地獄へ

落ちていきます。

 

一方で同じ話をモデルとする

19世紀のゲーテが書いた

ファウスト」では最終的に

善行を繰り返すという

「贖罪」を行うことで救われます。

 

 

地獄行きを担保に全知全能を

手に入れるなんて

バカげたことをするわけが

ないと思いそうになりますが

このお話はそのまんま借金に

置き換えることができます。

 

 

ただし16世紀と19世紀で

借金に対する見方が変わったので

結末に大きな変化が起こっています。

 

16世紀以前は封建社会であり

貴族から与えられた資源を元に

生産をすればよかったものが

市場社会が到来したそれ以降は

まずは借金をして事業を起こさなければ

ならなくなりました。

 

16世紀は利子を取る金貸しは

悪であるという価値観でしたが、

現実として借金をしなければならない

苦しみがフォースタス博士の苦悩と

その結末になっています。

 

一方で19世紀には市場社会が浸透し

借金と利子は当たり前のものになって

いました。

フォースタス博士の時代は借金は悪、

ファウストの時代は返済さえすれば

借金はしてもかまわない。

むしろ現代においては借金をして

資金を社会に回し経済を回す

ことのほうが正しく

なってきています。

 

起業家はいずれ生産したもので

借金を返せると思って借金を行い

経済社会を回しています。

言い換えると起業家というのは

将来実現しそうな交換価値を

今この時に引っ張って来てくる

タイムトラベラーと言えます。

この引っ張るタイミングで必要な

ものが借金であり、資金を提供する

銀行はツアーガイドと言えます。

 

起業家は将来の見通しを正確にできれば

借金の返済を行い、利益をのこすことが

できますが、間違っていれば

返済ができず最悪は倒産となります。

 

ただやみくもに借金をするのではなく

将来発生するであろう交換価値が

有るのかどうかしっかりと見極めなければ

ならないわけです。

当たり前のことっちゃことなんですけどね。

 

この後本書では借金がうまくいけばいいけど

どうしてもうまくいかないときもある、

そんな時は国家が借金の救済をするしかない、

と展開していきます。

ここはギリシャ財務大臣らしいお話だなぁ

とおもいました。

 

借金って怖いものです。

でもやみくもに怖がるものではなくて

将来をつかむためには必要なものです。

しっかりと将来をつかんで

いきたいですね。

 

ちなみにラテン語

faustus(フォースタス)を

ドイツ語チックに読んだのが

faust(ファウスト)です。

武漢をウーハンというかブカン

というかみたいな感じでしょうか。

 

じゃ、また!!

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前回同じ本を紹介したものです。

k-hosoyan.hatenablog.com