さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

イノベーションを起こす組織の作り方~マネジメント10~

おはようございます。

ほそやんです。

 

長かったマネジメントシリーズ。

そして、今回の文章はも長いです。

普段なら2回に分ける分量ですが

今回で終わらせます。

 一回目はこちらから

 

k-hosoyan.hatenablog.com

 

最後はよい組織悪い組織、

そしてマネジメントが目指すものです。

 

最初に悪い組織の特徴とは

どんなものでしょう?

 

マネジメント層の増加

組織の原則は階層の数を少なくして

指揮系統を短くすることです。

組織構造に関わる問題が

頻繁に起こる。

活動分析・貢献分析・決定分析・

関係分析が不足している場合に

起こりやすいことです。

重要な人物の注意を重要でない

ことに向けさせる。

就業規則や礼儀作法、手続き・

縄張りに気を使いすぎて、

大事なことが疎かに

なってはいけません。

大人数の会議を頻繁に行う。

取締役会以外の会議は組織の

構造上の欠点を補うものである

ことを認識しなくてはだめです。

理想的な組織とは会議なしで

動ける組織です。

人の感情や嫌悪に気を遣う。

こういうことに気を遣わなければ

ならないのは人がたいていの場合は

人が余っているからです。

実際に仕事をしていない人を

必要とする。

調整役や補佐役といった人が必要と

されるのは仕事が細分化している

証拠と思わなければなりません。

組織病にかかっている。

組織構造にばかりを気にして、

常に組織構造改革を行うことは

常に外科手術をしているような

ものと考えなければなりません。

組織とは完全無欠なものはなく

ある程度の摩擦や不調和はある

ものと受け入れるものなのです。

 

 

反対に、いいイノベーション

起こすことができる組織の特徴

とはどんなものでしょうか?

 

イノベーションの意味を知っている。

イノベーションとは科学や技術ではなく

価値であることを知っている。

イノベーションとは組織内ではなく組織外に

もたらす変化のことである。

したがって製品ではなく市場に焦点を

合わせなければならない。

顧客のニーズから出発しなければ

成果にはつながらない。

 

イノベーションの力学を知っている。

イノベーションには傾向が

あることを知っている。

人口構造の変化などがいい例だが

すでに発生していながら、

その経済的な衝撃が発生していない変化が

イノベーションのよい機会となり

成果を生み出す確率が高く

なることを知っている。

まれに世界を変えてしまうような

予測不可能なイノベーションという

ものもあるが、これは例外であって

狙ってできることではないことも

知っている。

 

イノベーションの戦略を持っている。

イノベーションの戦略は

「我々の事業は何か?何であるべきか?」

を問うことから始まることを知っている。

すべてのイノベーションが成功すわけでは

ないので9個の失敗を1個の成功で

穴埋めしなければならないことを

知ったうえで戦略を決めなければならない。

 

イノベーションのための目標と基準の

必要性を知っている。

イノベーションは通常の目標とは別枠とし

予算も通常とは別途に組む必要があることを

知っている。

既存事業は「この活動は必要か?」

「最小限のコストか?」と問いかけるが

イノベーションに対しては

「これは正しい機会か?」

「この段階で注ぐことのできる最大限の

(人的、資源的)コストはどれだけか?」

「手を引くべきか?それはどのようにか?」

と問いかける必要がある。

 

マネジメントの果たす役割と姿勢が

優れている。

組織内のメンバーが変化へ抵抗をする

ことはよくあることである。

変化への抵抗の底にあるものは

無知であり、それは未知への不安である。

本来、変化とは機会とみなすべきものである。

組織というものはイノベーション(=変化)を

嫌うのである以上、トップマネジメントたるものが

新しい優れたアイデアを正面から取り上げることを

自らの職務としなければならない。そして

新しい優れたアイデアを出すためには多くの

ばかげたアイデアが必要であり、これを実現の

可能性を評価するところまで検討するのは

トップマネジメントの仕事であることを

知る必要がある。

 

イノベーションの活動を管理的活動組織

とは独立して行っている。

新しい創造と既存のものの管理は同時に

行えないものであることを知っている必要がある。

イノベーションは機能としてでなく

そのものを事業として組織する必要がある。

新しいことを始めることが決まったのであれば

すぐに責任者を決めてチームを作るべきである。

既存事業は今いる場所から行こうとする場所に

向けて仕事をするべきであるが、

イノベーションは行くべき場所から逆算して

今しなければならない仕事をするべきである

ので、独立させておくべきなのである。

 

イノベーションを起こすために

変化ではなく沈滞に対して抵抗する組織を

作ることこそマネジメントにとっての

最大の課題です。

 

いい組織と悪い組織の例をみましたが

いい組織を作るためには

リーダー的階層には正統性が

求められます。

成果を上げるだけや

消費者と従業員のニーズを予見し、

識別し、満足させるだけでは

不十分です。

人の強みを生産的なものにするという

組織の目的を果たしてこそ、

マネジメントの正統性を満たす

と言えます。

 

 

今回の話をぶっちゃけてまとめる

イノベーションがどういうものかを

理解し、「われわれの事業はなにか」

と問いかけながら、リーダーが率先して

新しい変化に取り組むことで

変化を求める意識を組織に

浸透させることができ、そして

人材を生産的に配置することで

その正統性を確保しなければならない、

といったところでしょうか。

 

以前にテレビ東京カンブリア宮殿

築地本願寺の宗務長の方が

ドラッガーのマネジメントを元に

お寺の改革を進められている

お話がありました。

www.tv-tokyo.co.jp

新しいことを考えることは大変で、

それ以上に新しいことを始めることは

もっと大変です。

それが伝統のあるお寺であれば

なおのことだと思います。

 

チーズはどこに消えたの話にも

つながりますが、人間は変化を

嫌います。それは無知だからです。

築地本願寺の宗務長の方も

元銀行員の方だったがゆえに

変化が必要であることをよく

ご存じだったんだと思います。

 

おそらくですが、宗務長の方は

お寺という伝統的な社会で

様々な抵抗を受ける中で

イノベーションという言葉を

心のよりどころとしながら

改革に取り組まれたのだと思います。

 

楽なほうへ楽なほうへ流れて

停滞を好んでしまいそうなときに

イノベーションという

キラキラした言葉を見て

自分を奮い立たせるというだけでも

この本を手に取る意味はあると思います。

 

ただでさえ内容がたっぷりなことに加えて

どうしても英語で書かれている本なので

翻訳がぎこちなかったり、

英語的言い回しがわかりづらかったり、

翻訳の仕方が不親切であったり

するので読みやすいとは言いませんが

読む価値のある本だと思います。

 

じゃ、また!!

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