さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

情報の蓄え方と整理の仕方

ほそやんです。

 

世の中にはすごいなぁと思う人がたくさんいます。

その中でも最近、ものの見方がすごいなぁと

思う人が佐々木俊尚さんです。

世間一般的に表側しか見ていない事

(時には表側がすべてだと思わされいる事)の

裏側をサラッと提示して見せるさりげなさがすごいです。

 

決して奇をてらったものだったり単なる逆張りだったりではなく

しっかりとした根拠を持たれているので本当にはっとさせられます。

それはこの人が膨大に収集している知識とその整理活用方法に

あるんだってわかる本がこの本です。

佐々木俊尚さんは元毎日新聞の記者さんで

元新聞記者さんって紙至上主義の人が多い勝手なイメージを

持っていましたが佐々木俊尚さんはむしろデジタル至上主義の

ような人でそれをうまく生かしながら膨大な情報の収集と整理を

されている様子がこの本を読めばわかります。

 

このすべてを真似することはなかなか難しい、

(少なくとも一部をやってみましたが私には無理でした)

こういう風に考えたらいいんだ、やったらいいんだってことは

かならず誰にでもあると思います。

本は電子書籍でいいでしょと佐々木俊尚さんはこの本で

書いてますが、私は紙がいいです、電子だと頭に入らないです。

ただ、その内容を残す方法はアプリやなんかを使うというのは

大いに賛成です。

このブログ自体が読書をした後の備忘録を兼ねています。

 

知識の入れ方整理の仕方だけでなく、具体的に仕事や勉強の

やり方なんかも書いてくださっています。

一番初めのやる気が起こらないときってだれしもあると思います。

この本の中ではとりあえず簡単なことでいいから始めてみましょ、

と書かれています。

いきなり重いことから始めるとしんどいですが、簡単なことで

あれば脳も少しづつ動き出してそのうちちゃんとできるように

なっていきます。

 

こういうテクニック的な事、学生の頃にしりたかったなぁと思います。

完璧主義を目指しすぎていきなり腕まくりして全力でって思って

結局ずっとベットでごろごろしながらマンガ読んでました・・・

 

じゃ、また。

勉強のやり方

ほそやんです。

 

学生の時にもっと勉強しとけばよかったなぁ、

よく聞くフレーズです。

実際、死ぬときに人間が思うことは

もっと遊びたかったなぁではなく

勉強しとけばよかったなぁだそうです。

個人的には何べん人生やりなおしても

必死に勉強したとは思えない、ですが・・・

 

とは言え、勉強のやり方を知っていれば

もっと楽に生きてこられたかなぁとは思います。

例えばこんな本を学生の時に知っていれば。

 

何歳からでもできる勉強法なので

どんな年齢の人でも読む価値があると思います。

 

正直、勉強なんかめんどくさいししんどいです。

それをちょっとしたコツを知っていれば

私が学生の頃にやっていた試験の前日に徹夜で

一夜漬けをするなんて馬鹿なことはしなかったでしょう。

試験を受けることよりも、徹夜で勉強することが目的に

なっていたのは今思い出すとほんと馬鹿だなぁ、と。

 

詳しい内容は本を読んでもらうとして

私が面白いなぁと思った項目をピックアップしておきます。

 

〇完璧主義ではなく完成主義を目指す。

〇欲望で初めてやりがいで続ける

〇勉強とは素早くたくさんの間違いに気づくこと

〇開始時刻を守る、期限を定める。

〇覚えたことを思いだして書き出すことが記憶の定着になる

〇寝る前に覚えることで記憶率がよくなる

〇つながりを持たせることで記憶しやすくなる

〇自分がその期日のときにどうなっているか、

 きついのはどういうときか、

 それを乗り越えるにはどうしたらいいのかを想像する。

〇未来の自分は優秀だと思うけど、現実の自分はそうじゃない。

〇間違えたことをしっかりと見つめなおす

〇合格した自分ではなく、苦難を乗り越える自分をイメージする。

 

勉強だけでなく仕事でも応用できる内容だと思います。

何するにせよ、順風満帆が続くわけもなく

苦難や試練はかならずついて回ります。

苦しい時にどういう風にふるまえばいいのか、

イメージしてそれを乗り越える訓練しておくことは

本当に大事だと思います。

 

(余談ですが、ゴルフしてるとほんとおもいます・・・

ミスショットのあとリカバリするときに平常心を保てない、

簡単な事でもプレッシャーを自分にかけすぎて崩れる、

疲れたときに注意力が散漫になる・・・

困難を乗り越えるのが苦手な自分に気付かされます。)

 

じゃ、また。

航海日誌から感じる想像力

ほそやんです。

 

いつも車で移動している際にポッドキャストを聞いています。

ニッポン放送辛坊治郎さんのズームというラジオ番組です。

ニュースの裏側みたいな発想をされることがあるので面白いです。

例えば、先日行われたG7の際に行くのを嫌がっていたバイデン大統領が

急に行く気満々になったのはゼレンスキー大統領がくることが

きまったからじゃないかっておっしゃってたのは慧眼でした。

 

そんな辛坊さんがラジオを半年以上も休んで太平洋をヨットで

往復横断したときの話を本にまとめられています。

 

横断中のお話はずっとラジオでされていたのでそれの後追いです。

たぶんラジオを聞いていた人は追体験をしている感じで面白いですが

そうでない人にとっては正直・・・かもしれません・・・

道中こんなことがあって一歩間違えてたら大変なことがおこってたよ、

的なお話がずっと続いていて、起こってないことかかれてもなぁって

思いつづけて読み終わる本のような気がします。

 

話が大きく変わるのですが、

先日、友人の中で僕が一番頭がいいと思っている友人と話していて

何があなたをそうさせたのかと思うって聞きました。

彼曰く、こどもの頃からとにかくいろんなことを考えていた、

無駄な事だろうが、妄想だろうが、とにかく考えていた、と。

だから、だいたいのことは次に何が起こるかの予想ができるようになり

それに対して何をするべきかの答えがみつかるようになったと。

 

辛坊さんも同じで、普通の人だったら気づかないことや想像しないことを

気付いてそこから想像(妄想)する力がすごいんだろうなと。

その着眼点でこの本を読むと辛坊さんのすごさと、

そういう思考方法の習得の一端となるように思います。

 

ネット社会になってWIKIを開けば簡単に答えが見つかる時代です。

答えは見つかりますが、その思考プロセスは疎かにされています。

答えを見つけることはもちろん大切なことではありますが、

その答えを見つける方法がわからなければ、どこかで挫折します。

おなかをすかしている人にお魚をあげるのではなく

釣り竿を渡して釣り方を教ええるべきというよくある話ですが。

 

そんなことを思った本でした。

 

じゃ、また。

ランドパワーとシーパワー

ほそやんです。

 

ロシアがウクライナへ侵攻して1年以上経ちました。

西側諸国にとっては突然侵攻したロシアを非難する人が

大多数ですが、インドかどっかのえらいさんが

ヨーロッパ内戦にアジアを巻き込まないでって言っていたのが

そういう見方もあるのかぁって面白いなぁって思いました。

 

こういう日本という場所からの一方的な見方ではなく

それぞれの国のものの見方を身に着けるための本があります。

地球規模で大きくみてそれぞれの国がその地域性に応じて

どういう風な思考方法になるかを考える学問を地政学と言います。

地政学では各国を大陸国家と海洋国家とい大きく二つに分けます。

 

大陸国家は定期的に現れるチンギスハーンのモンゴルみたいな

大暴れする存在を本能的に覚えていて常に侵略されることに

怯えています。

臆病な小さな犬ほどよく吠えるしよく嚙みつくのとおなじで

怯えているランドパワーの国は隣国を吸収したがります。

 

一方、ランドパワーの国は海があるおかげで攻められる

リスクが低く、海で他国と緩くつながることで

広く貿易を行うことができます。

 

ロシアはこのランドパワーの典型で、

ナポレオンしかりヒトラーしかり

ヨーロッパのランドパワー国家が膨張するたびに

おおきな戦乱に巻き込まれた結果、

常に外敵に怯え続けています。

結果、攻め込まれるぐらいなら

こっちから攻めてやる、になります。

 

もう一つ典型的なランドパワーの国があります。

中国です。

彼らも万里の長城を作るぐらい外敵に怯え続ける国です。

これが意味するところはどういうことなんでしょうね。

 

図や絵がたくさんちりばめられているので

難解で敬遠しがちな世界規模の政治の仕組みが

比較的簡単にわかる本です。

一度、手に取って読んでもらえると今まで見えていた世界と

違う世界が見えてくることを保証します。

 

ずっと以前にとあるラジオでこの著者が話しているのを聞いたとき

私はその体験をすることができました。

 

じゃ、また。

菜根譚

ほそやんです。

 

中国ってほんとにすごい国だなぁって

思うのが古い時代に書かれた本であっても

現代に通用するものがおおいってことです。

菜根譚もその一つです。

 

前回の貞観政要は唐のお話ですが、

菜根譚はもう少しあとの明の時代のお話です。

足利義満がやっていたのが日明貿易なので

日本からみるとだいたいその時代の本です。

 

作者はいまいち明確な経歴がわからないのですが

おおよそ役人をしていてその後隠居生活を

した人なのではないか、と言われています。

そんな彼がこう生きていくといいよってことを

いろいろと書いてくれています。

 

〇恩恵を施すにははじめはあっさりしておいて

後から手厚くするのが良い。

はじめに手厚くして後から薄くすれば

人はその恩を忘れてしまう。

 

〇完全な名誉や立派な評判は独り占めしてはならない。

そのいくらかを他人に譲り与えれば、危害を遠ざけ

身を全うすることができる。

不名誉な行為や評判は、それをすべて他人に

おしつけてはならない。

そのわずかでも自分が引き受ければ

自分の才能をひけらかすことなく

仁徳を養うことができる。

 

〇家族に過失があったら激しく怒ってはならず

だからと言って軽視して見過ごしてはならない。

もし直接そのことを言いにくいのであれば

他のことにかこつけてそれとなく注意し

今そのことに気づかなければ

別の機会が来るのを待ってもう一度注意する。

 

〇悪人を排除し、へつらいものをなくすには

彼らに一筋の逃げ道を設けておく必要がある。

もし全く身の置き所がないようにすると

例えばネズミの穴をふさいでしまうようなもの。

大事なものまで噛み破られてしまう。

 

〇小人とけんかをするな。

小人には小人なりの相手がいる。

君子にこびへつらうな。

君子はもともとえこひいきはしない。

 

自分が思っているけどうまく文字化できないことを

たとえ話を交えながら文字として表現されていることが

たくさんあって非常に面白かったです。

 

この通りにできることなんてそんなにないとは思いますが

知識としてあるのか、ないのかには大きな違いがあります。

説教くさいこともたくさんありますが、

自分がこういう風にしていこう、って目線だけでなく

周りの人がはこういう風に見ているんだっていう目線で

読むと説教くさいと思わずに読めると思います。

 

じゃ、また。

貞観政要

ほそやんです。

 

「鎌倉殿と13人」の大河ドラマをみてますか?

私は毎週楽しく見ています。

少し前の回になるのですが主人公義時の息子が

義時に酒に付き合えと言われたときに

貞観政要を読まねばならぬので」

とお酒を断るシーンがあります。

 

貞観政要・・・?ってなったか

そもそもこのセリフを認識すらしてない

人のほうが多いかもしれません。

 

 

貞観政要は唐の太宗という偉い皇帝と

部下との問答をまとめたもので

指導者とはどうあるべきだ、とか

政治はどういう風に行うべきだ、とかを

書いてくれている本です。

貞観という中国の元号の時のお話なので

貞観時代の政治の要点のお話で貞観政要です。

 

いくつか面白いフレーズがあるので

ピックアップしておきます。

 

「明君の明君たるゆえんは広く臣下の進言に

耳を傾けることです。

また、暗君が暗君たるゆえんはお気に入りの

臣下の言葉だけしか信じないことです。」

ほかにもいくつも部下からの諫言と

どう向き合うかという話が出てきます。

面白いのは太宗も耳が痛いことを

言われた時に結構怒ってるんです。

うっせーぶち殺してやるってレベルで。

でも、ほかの部下にいさめられて、

おこっちゃだめなことに気づいて

素直に反省している太宗が可愛いです。

 

「私は屏風の上に地方長官の名前を記録し

起き伏しのたびにそれを見ている。

そして彼らがなんぞ善政を行ったという

報告があれば姓名の下に詳しくその事実を

書き記しておく。

天下の治乱は実にこの者どもの

双肩にかかっている。

だから地方長官にはとりわけ優れた人材を

起用しなければならない。」

自分の上司が毎日、自分の名前を見てくれて

いいことを覚えてくれるってこんなに

うれしいことってないです。

どっかの社長も似たようなことをやっていたのを

テレビで見たことがありますが、

多分これをまねしたんんだろうなぁって

これを読んだときに思いました。

 

「流水が澄んでいるかどうかは

源の良しあしにかかっている。

君主と人民関係にたとえれば

君主は源、人民は流水のようなものだ。

君主が自ら詐術を弄しておきながら

臣下にまっとうなことを期待するのは

ちょうど濁った源をそのままにしておいて

流水が澄むのを望むようなもの、

どだい無理な話ではないか。」

とある会社で社長が課長連中をあつめて

「お前たちの部下の出来がわるいのは上司である

おまえたちが悪いからだ!!」

って叫んだっていう話を思い出しました。

 

「しばしば法令を変更するのは

世道人心の不安を招くもとであるから

一度定めた法令はやたらにかえてはならぬ。

また法令を制定する際には

慎重に条文を検討し、

曖昧な規定は避けなければならない。」

ルールがころころ変わったり、

その場その人によって解釈がかわるルールは

みんなに不公平感を植え付け、

前に進むことをみんながためらってしまうので

害悪でしかないです。

 

唐の時代なので日本でいえば平安時代のお話ですが

それでも今の世の中に通用する話が多いのは

太宗とその周辺が素晴らしい人たちだったのか

今も昔も人間はかわらないからなのか・・・

多分、後者でしょうねぇ。

 

んじゃ、また。

桜島

ほそやんです。

 

前回の続きで鹿児島へ行った話をします。

 

昔、子供の頃に西郷隆盛の伝記本が家にあって

父親にこの人なにした人なん?ってきいたら

なにした・・・?ひとことではむずかしいなぁ

って言われたことがります。

 

確かに普通の人からすると

なにをしたわけでもないのに有名な人、

ってなるぐらい明確な実績がないです。

 

でも、海音寺潮五郎司馬遼太郎の本を読んだ人からすると

明確な実績がないにもかかわらず、その精神性から

西郷隆盛っていう人に興味を持たざるを得ません。

ずっとこの人が育った町、そして最後に戦った場所って

どんなところなのか見てみたいとずっと思っていました。

 

武士政権をこわすための起爆剤となり、さらに

武士の精神を終わらせる起爆剤となった人、

この人がどんな空気を吸っていたのか、

どんな景色を見ていたのか、知りたかったです。

 

で、行って思いました。

桜島でけぇ。

高知の桂浜を見たときと同じぐらい

これを毎日見てたら精神性が変わると思いました。

こまごましたこと気にせず大きく生きていこう

って思わせてくれる雄大な景色でした。

西郷隆盛をはじめとする薩摩系の軍人が

おおらかであったことが納得できました。

 

あともう一点、鹿児島へ行って納得したことがあります。

西郷隆盛は明治政府を辞めた後、鹿児島に帰り私学校をつくり

不平を持つ士族の教育を行います。

その私学校の生徒たちが暴発することで西南戦争がはじまり

戦争に負けた西郷隆盛は城山という場所で命を落とします。

この私学校と城山がどういう場所なのか

いまいちピンと来なくてずっと腹落ちしてませんでした。

 

行ってみてびっくりしました。

両方とも薩摩藩のお城である鶴丸城のすぐ横です。

たぶん、当時の私学校の生徒からすると西郷隆盛

お殿様のように思っていたのではないか、

というような場所でした。

場所を見ただけで、最後隆盛という存在が

どういうものであったのかよくわかりました。

 

そしてこの人の上に立ってしまった島津久光

苦悩も感じてしまいました。

自分が主権者だと思っているのに

形式上は主権者の後見人に過ぎず、

その劣等感を抱えながら

その劣等感を刺激してくる有能な部下を

使わなければ組織を保てないジレンマは

つらかっただろうなぁと。

 

鹿児島、行ってわかったことでした。