さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

貞観政要

ほそやんです。

 

「鎌倉殿と13人」の大河ドラマをみてますか?

私は毎週楽しく見ています。

少し前の回になるのですが主人公義時の息子が

義時に酒に付き合えと言われたときに

貞観政要を読まねばならぬので」

とお酒を断るシーンがあります。

 

貞観政要・・・?ってなったか

そもそもこのセリフを認識すらしてない

人のほうが多いかもしれません。

 

 

貞観政要は唐の太宗という偉い皇帝と

部下との問答をまとめたもので

指導者とはどうあるべきだ、とか

政治はどういう風に行うべきだ、とかを

書いてくれている本です。

貞観という中国の元号の時のお話なので

貞観時代の政治の要点のお話で貞観政要です。

 

いくつか面白いフレーズがあるので

ピックアップしておきます。

 

「明君の明君たるゆえんは広く臣下の進言に

耳を傾けることです。

また、暗君が暗君たるゆえんはお気に入りの

臣下の言葉だけしか信じないことです。」

ほかにもいくつも部下からの諫言と

どう向き合うかという話が出てきます。

面白いのは太宗も耳が痛いことを

言われた時に結構怒ってるんです。

うっせーぶち殺してやるってレベルで。

でも、ほかの部下にいさめられて、

おこっちゃだめなことに気づいて

素直に反省している太宗が可愛いです。

 

「私は屏風の上に地方長官の名前を記録し

起き伏しのたびにそれを見ている。

そして彼らがなんぞ善政を行ったという

報告があれば姓名の下に詳しくその事実を

書き記しておく。

天下の治乱は実にこの者どもの

双肩にかかっている。

だから地方長官にはとりわけ優れた人材を

起用しなければならない。」

自分の上司が毎日、自分の名前を見てくれて

いいことを覚えてくれるってこんなに

うれしいことってないです。

どっかの社長も似たようなことをやっていたのを

テレビで見たことがありますが、

多分これをまねしたんんだろうなぁって

これを読んだときに思いました。

 

「流水が澄んでいるかどうかは

源の良しあしにかかっている。

君主と人民関係にたとえれば

君主は源、人民は流水のようなものだ。

君主が自ら詐術を弄しておきながら

臣下にまっとうなことを期待するのは

ちょうど濁った源をそのままにしておいて

流水が澄むのを望むようなもの、

どだい無理な話ではないか。」

とある会社で社長が課長連中をあつめて

「お前たちの部下の出来がわるいのは上司である

おまえたちが悪いからだ!!」

って叫んだっていう話を思い出しました。

 

「しばしば法令を変更するのは

世道人心の不安を招くもとであるから

一度定めた法令はやたらにかえてはならぬ。

また法令を制定する際には

慎重に条文を検討し、

曖昧な規定は避けなければならない。」

ルールがころころ変わったり、

その場その人によって解釈がかわるルールは

みんなに不公平感を植え付け、

前に進むことをみんながためらってしまうので

害悪でしかないです。

 

唐の時代なので日本でいえば平安時代のお話ですが

それでも今の世の中に通用する話が多いのは

太宗とその周辺が素晴らしい人たちだったのか

今も昔も人間はかわらないからなのか・・・

多分、後者でしょうねぇ。

 

んじゃ、また。