さがしもの

日々思ったことを書いていきます。

お寺の中にビジネスマンが入ったらどうなるのか?

おはようございます。

ほそやんです。

 

毎週欠かさず見ているテレビ番組がいくつかあるんですが、

そのひとつがテレビ東京カンブリア宮殿という番組です。

www.tv-tokyo.co.jp

色んな会社の社長さんを紹介する番組なんですが、

ここ最近で一番印象深かったのが築地本願寺の回でした。

銀行員上がりのコンサル会社社長が

お寺のトップにたったらどうなるのか、

というテレビドラマのようなお話でした。

 

若者の、いや全世帯の宗教離れが進む中、

伝統的なお寺である築地本願寺もご多分にもれず、

経営状況が悪化していたようです。

それを建て直したのがこの本の著者です。

 

伝統的になればなるほど、

過去の成功が大きければ大きいほど、

何かを変えるのって大変です。

ましてや利益追及がひとつの目的である企業ならまだしも、

坊主丸儲けと揶揄された傷がまだ疼く

宗教施設たるお寺としては収益改善という言葉に

拒否反応があっても仕方の無いことだと思います。

 

ただ、適切な収益がないと

お寺の存続ができなくなりますので、

利益をあげることはしていかなければなりません。

 

こういう建前と本音が乖離していることから目を背けるという

安易な選択をとる人って私もたくさん見てきました。

案外と目を背けても何とかなることも多いんです、実際。

でもそれって先送りでのちのちの問題を大きくしてるだけなことに

目を背けているだけであったりもするんです。

そんな人が多い中でこの本の筆者が

問題に真摯に向き合う姿勢にぼくは感銘を受けました。

 

この本の著者は

お寺とは何か?

何を提供できるのか?

を考えます。

そこでお寺を「人生のコンシェルジュ」と定義し、

そのために何が障害となっていて、

どうすればいいのか?

ということをタブーなく推し進めて行かれます。

 

言葉でいえば簡単ですが、

少しでも成功体験がある組織において

何かを変えるということは本当に難しいです。

成功体験に縋り、

自分たちが伝統あるブランドだと思い込んでるものが

古びたブランドに成り下がっていることにすら

気付かないことも多々あります。

 

たとえ自分がそれに気付いた所で、

周りを巻き込んで実行に移すということは

すごい労力と精神力が必要となります。

我々は社会に対してこういう存在にならなければならない、

という強い信念がないとできないことです。

 

この本は、400年の伝統を誇る築地本願寺

何が強みで弱みだったのか、を冷静に分析され、

それに対してどのような対策をして行ったのか、

それに対してどのような反発があったのか、

結果どうなったのか、ということが

事細かに書かれています。

 

何かを変えるということは本当に難しいです。

変えようとすると

既得権益のある人からも利益が奪われると反発がありますし、

今まで通りの惰性で楽していた人からも無能がバレると反発がありますし

そのやり方に賛成していた人からも俺のやり方にケチをつけるのかって

反発もあります。

たとえどんな大きな反発があったとしても、

何かを変える必要があるのなら変えていくための

勇気とやり方のヒントを分けてもらえる本でした。

 

お寺が舞台と聞くと多くの人には

関係のない話のように思ってしまいますが、

決してそうではないと思います。

多くの組織が「伝統」と「古びた」を勘違いし

社会にどう「貢献できるか」ではなく「何が作れるか」しか考えず

日々起こる問題を見て見ぬふりして惰性で過ごしていると思います。

何かを変えないとダメなことはわかっているけど

どう変えればいいのかわからない人には

読んでみる価値のある本です。

 

じゃ、また!!

読んで面白かったら星マークを押していただくか

ほかの人にもシェアしもらえると嬉しいです。

毎週月曜日11時半ごろ更新を目指していきますので

読者登録も併せてお願いします。